ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
私の手を握る左手にギュッと優しく力が込められる。

優羅くん……。

私はそれに応えるように、まだ力が入り切らない手でゆっくりと握り返した。

すると、目元を眠そうに擦っていた手がピタリと止まって。

ゆっくりと下ろされた手……。

眠そうなアーモンドアイとバッチリ目が合う。

……優羅くんだ。

ちゃんと、ホントに……。

涙で滲んだ視界でも、しっかりわかる。

驚いたように見開かれた瞳は、私を見て瞬きを繰り返した。

「こ、こ……あ……?」

ゆっくりと、でもしっかりと確かめるような優しい優羅くんの声。

私はその声に、涙でぐちゃぐちゃの笑顔で応える。
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