ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
優羅くんは未だに目を見開いたまま、確かめるようにそっと私の頬へ手を伸ばした。

少し震えている手が優しく私の頬を撫でる。

これは、夢じゃない……。

ちゃんと優羅くんが目の前にいる。

ちゃんとみんなが、私の目の前にいる。

私は……生きてる──────────

「ゆ……ら……く、ん……」

「恋々愛……」

名前を呼べば呼び返してくれる。

微笑めば微笑み返してくれる。

優羅くんは少し潤んだ瞳を細めて、私を安心させるように優しく微笑んだ。

その笑顔に、私の胸はトクンと高鳴る。

私があの時に……死を覚悟したその時に思い浮かべた笑顔より何百倍も素敵で。

「え……恋々愛ちゃん!?」
< 856 / 1,130 >

この作品をシェア

pagetop