ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
その短い優羅くんの返事に慌てて顔をあげれば、再びくるりと進行方向を向いてしまっている優羅くん。

頭下げてる間にまた顔が見えなくなってしまった。

さっきも抱きしめられてて表情が見えなかったし……。

「…………」

「…………」

再び歩き出した2つの足音と、なんとも言えない沈黙。

話すことは予期せず出来たけど、やっぱり目が合わないと辛いな……──────────

* * *

ーガチャ……バタンッ。

それから近くの100円ショップに行って飾り付けの材料を買って特別寮に帰ってきた私たち。

私は靴を脱ぎ揃えながら、スタスタと先にリビングに向かう優羅くんの背中を見つめた。

帰り道も変わらず優羅くんとの会話はなく、買い物中でさえも──────────
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