ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
「わかった。俺こっちする」

そう言いながら天井から吊り下げる飾りとチェアを一脚手に取って、スーッと行ってしまう優羅くん。

まだ、ちゃんと目が合わないんだよね……。

ーキューッ……。

ふわっと香った優羅くんの残り香に、切ないくらいに胸が締め付けられる。

もうすぐみんなが来ちゃうから飾り付けの手を止めることは出来ない。

……だけど、少しでもいいから……。

優羅くんとちゃんと話す時間が欲しいよ──────────

* * *

「できた!」

リビングの飾り付けを始めて数十分。

風磨くん兄弟の到着予定時刻数分前にして、全ての飾り付けが完成した。

あとはこのスイッチを入れれば……。
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