ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
「いや、いいって涼くん! ホントにすぐそこだし!」

そんな楓くんの元へ駆け寄って、すごい勢いで遠慮する涼華ちゃん。

でも、その横顔は少し赤らんでいて。

送ってもらう方が、涼華ちゃんも嬉しいだろうに……。

涼華ちゃんはきっと、まだ楓くんのことがすきだから。

「お前、公園の先の第2寮だろ? すぐそこなんだから遠慮すんなよ」

「すぐそこだから遠慮してるんだよ!」

二人とも、話すとこうやっていつも言い合いみたいになっちゃうけど、なんだかんだ仲良しなんだよね。

さすが幼なじみって感じで。

「よし、準備できた。行くぞ」

「ちょっと! 涼くん!」

身支度を整えるなり、涼華ちゃんの引き止める声も聞こえないふりでスタスタと玄関の方へ向かう楓くん。
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