瞳の奥

１章：戦線

武装集団立てこもり事件から数日がたったある日、私は紗綾ちゃんと一緒にお昼ご飯を食べていた。

「ねぇ、麗奈。大変だったんでしょ？大丈夫なの、今日？？」

彼女、天宮紗綾(ｱﾏﾐﾔｻｱﾔ)は私と同じ27歳で交通課の巡査長。

年は同じだが、彼女の方が先に警察官になったので先輩だが階級は私の方が上と言うこともあり、最初は吉岡警部呼びだったけど
親しくなった今では下の名前で読んで欲しいと言うことでお互い下の名前で呼び合う仲になったのだ。

「全然。むしろ最近が事件続きでようやく落ち着いた時間が戻ってきたって感じだよ。」

「麗奈に会えなくて寂しかったよ(泣)でも、麗奈は婚約者とずっと一緒だから寂しく無いんだよねー。良いな～私も彼氏作ろっかな」

「ば、馬鹿。あいつとの関係を話さないで。」
紗綾は私と蓮が婚約してることを知ってるが、警視庁の中で知るものは限られているのだ。

「まぁ、お互いが注目の的だし知っても納得ものだと思うけどな。そんなに仕事中の五十嵐警視は嫌？」

「嫌って言うか、好きになれないんだよね。」

紗綾はニヤついた顔をしてきた。

「麗奈変わったよね。前は嫌だって即答してたのに。」