瞳の奥
「蓮の今まで知れない姿を知る度に怖くなったのと、同時に、今のままならもっと知らない姿が見れるかな?結婚したら今までの優しい蓮しか見れないのか?って
思うようになって、私気づいたの」

「えっ??」

私は、ゆっくりと蓮にキスをした。
きっと私からの初めてのキスだと思う。

「私、蓮のことが好きだよ。怖い蓮は嫌だけど、蓮の傍にいたい、一緒に仕事したい。何より蓮のことを支えたいって思ってるの。
だから、苦しませてる原因が私なのもごめんね」

蓮は見開いたまま止まっていたが、やがて私を抱きしめ、ベットに倒れこんだ。

「ほ、本当か!?」

「うん、好きだよ、蓮。」

「まっじかーー、てっきりもう関わるな、大嫌いって言われるかと思ってた。」

あまりにも嬉しすぎたのか、抱き締めながらゴロゴロして顔を隠す、蓮。

「仕事中の冷酷非情な蓮は嫌いだけどね。それより、お願い事聞いて欲しいって言った話なんだけど、」

「なんだ?なんでも聞くよ。」

「えっと、その///抱いて欲しいと言うか。なんとか言うか…」

蓮は私にキスをしてきた。優しくて激しくて全て飲み込むような深いキスを何度も何度も。

「優しく出来るか解んないけど、痛くないように努力する。」

「うん//」

「あと、避妊なんてしないから覚悟しとけよ。」

私達は、この日初めて両思いになり一夜を過ごしたのだ。
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