瞳の奥
10時頃、上野公園に20代の男性が殺害されていると連絡が入り、現場に急行した。

蓮は紺のスーツに腕章を着けコートをなびかせながら警察手帳を、若い子に見せる。
対して私は、白い花柄模様の服にピンクのスカートと白いカーディガンをなびかせながら腕章着けて警察手帳を見せる。

「お疲れ様です。」
門番していた所轄の若い男の子は、素早く敬礼し私達を中に通した。

「「警視庁の皆様素敵だわ~」」

そう、私服を優雅に着こなしながら現場に入る美男美女が現場に入るお馴染みの光景でも黄色い声はつきものなのだ。

中に入ると所轄の人が私達に説明してくれた。
殺されたのは、近藤恭助(24)
有名広告代理店に勤めているとのこと。
職場内でも顔は広く人間関係のトラブルも無いと言う。
昨夜は会社の飲み会か開かれ、その後別れてからの目撃情報は無し。
死亡推定時刻は、夜1時から3時の間と言う。

「この時間なら、目撃情報は無いか…」

とりあえず、昨夜の飲み会メンバーの事情聴取と目撃情報を確認するように指示し改めて被害者に向き直った。
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