瞳の奥
手を合わせて少しの間目を閉じて、再び目を開ける。

「凄く残忍な殺人だね…」

被害者は上半身血で濡れており、刃物で何ヵ所もつけられている。

「怨恨の説が濃厚だろうな…」

警視庁に戻ってからは、捜査会議を開くべく準備が進んでいる時、部下が私の元にやってきた。

「吉岡警部、今宜しいでしょうか?」

「どうしたのかしら?」

「こちらが、捜査一課宛に届いたのですが、いかが致しましょうか?」

部下が持ってきたのは、USB1本。

「ありがとう、こちらで確認しておくわ。」

部下が戻り、USBを見つめていると蓮が来た。

「見てみるか?」
「そうね。」

私は自分のデスクのPCにUSBを指して蓮と二人で中身を見ることにする。
USBの中身は動画データだった。

どんな動画か解らないので、念のためイヤホンを指して片耳を蓮に渡してから再生した。
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