瞳の奥
あれからどのぐらい時間が経ったのだろうか。暫くしてから、蓮から電話がかかってきた。

「もしもし?」

「今、家か?」

「うん、そうだよ。」

「話したいことがあるから行って良いかな?」

蓮の声が寂しそうな元気無さそうな声をしていた。

「良いよ。」

~10分後~

ピーンポーン
インターホンがなったので、ドアを開ける。もちろん、先程の届いた荷物一式は全て隠した。

「どうしたの?中入る??」

蓮は暫く考えて、泣きそうな声で言った。

「俺の家泊まるのは、嫌、、だよね…」

とても泣きそうで抱き締めたら壊れそうなぐらい弱ってる蓮。本来ならすぐ家に入って貰うのが良いのだろうが、蓮からのお願いなので断る理由も無い。

「解ったわ。1つ確認したいんだけど女性物の服って私が使う用かな?着替えとかはあると思って良いかな?」

「全て揃ってるから大丈夫だよ。」

「解った。じゃあ貴重品だけ持ってくるね。」

私は、貴重品と警察道具一式と必要最低限だけどな物だけ持って蓮の家に行くことにした。

~30分後~
蓮に案内されるまま家に入った。
蓮はそのまま寝室に向かったので、後をついていき荷物を端に置いて座った。

蓮は私の太ももに頭を乗せて寝転ぶ。
いわゆる、膝枕している状態だ。

「麗奈、俺、お前のこと凄く好きだ。」

「うん、知ってるよ。」

「ちゃんと式を挙げたいんだ。だから、この事件が終わるまでは、式挙げるのを伸ばしたい。」

蓮は膝枕されてる状態で真っ直ぐ私を見つめて言った。
蓮から式を伸ばしたいと言ってくるとは思わなかったからビックリしたけど、私からしたら嬉しい話だ。ユグドラシル全員逮捕してから式挙げたいと私も考えていたからだ。

「そうね。事件解決して、スッキリした状態で式挙げたいと思ってたから私もそれで良いと思うよ。」

蓮は起き上がり、そして私にキスをした。

「ありがとう。」

恥ずかしいけど、精一杯答えてあげようと思った。

「蓮、この事件もずっと傍にいてね。好きだよ、チュッ///」

「麗奈、今回の事件はテロとして扱われることになった。名前はユグドラシル事件。この事件を正式に捜査一課主担当として受け持つことになった。

事件の進め方は、いつも通り俺達で方針決めて指示を出すことは変わらないが、検挙の場合、逮捕権限は麗奈のみに与えられることになった。

麗奈には重い役割ばかり背負わせることになるけど、全力でサポートするからな。

あと、それに伴い麗奈には警察の備品好きなだけ使って良いから。」

「それを警視総監と話してたの?」

「それだけでは無いけど、今回の事件、ユグドラシルテロ事件は麗奈以外の刑事への逮捕権は与えないというのが絶対事項だから、それだけは理解して欲しい。」

たぶん、ユグドラシルのボスが送ってきたメモの内容と同じだから、それは絶対なんだろう。蓮のところにも何か届いたんだろうと察したからこそ何も追及はしなかった。

「蓮と警視総監決めたことなら従うわ。話はそれだけ?疲れたから寝たいんだけど、、」

「あぁ、そうだな、寝るか。」

私はネグリジェに着替えて寝るのだった。
< 33 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop