瞳の奥
そのまま、捜査一課に戻ると部下達は敬礼して私達が来るのを待っていた。

「「五十嵐管理官、吉岡警部に敬礼」」

「おはよう」

「「おはようございます!!」」

私達は自分の席に戻りマントをハンガーにかけて、椅子に腰掛ける。

「皆、私と五十嵐管理官の席前に集まって」

すると素早く皆は私達の元に来た。
一課は優秀なエリートしかいないと言うが、ここまでだと圧巻だな。

全員集まったことを確認した蓮は説明し始めた。

「皆知ってると思うが、我々捜査一課は緊急最優先事項としてテロリスト集団ユグドラシルの逮捕を命じられた。

しかも、テロリスト集団は決められた人物以外の逮捕は殺す、逮捕されたとしても黙認すると警視総監へ連絡があったため、俺と吉岡警部だけこのマントを与えられた。

このマントの説明は警視総監が既に説明したと言っていたが聞いているか?」

蓮と目があった蓮と同い年ぐらいの巡査部長が答えた。

「はっ。警視総監からの連絡ですと、マントを着たものしかテロリストへの逮捕権限はないと聞いています。」

「そうだ。だからこのヤマは慎重に行動する必要がある訳だ。これからお前達は二人一組でそれぞれに仕事を命ずるが、どの役割も命と隣り合わせになるだろう、心してかかるように。」

「「はっ。」」

そうして、部下にそれぞれ指示を出し被害者になりそうな人には警護班(通称SP)を着けユグドラシル捜査が始まったのだ。

私は、部下の報告書を確認した。

書いてあるのは、昨日命じていた被害者周辺の聴き込み調査の結果だ。

会社内でも、近所周辺でも評判良かったようで悲しむ人ばかりだ。

「評判は良い、か、、」

でも、疑問が残る。

テロリスト集団に目をつけられたからには、彼も何かしらの罪を犯していて、悲しみを持つ人がいるからだ。

一通り確認し終えた私は蓮に話をする。

「報告書は、人柄は良好と書いてるわ。」

「そっか。」
蓮は考え込む。

「ねぇ、全国的にユグドラシルが広まった以上、一刻も早く昨日の動画解析をお願いしたいと思ってるんだけど、どうする?」

「サイ犯課か。悪い虫着けたくないし俺も行くか。」
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