瞳の奥
百貨店に着いた私達は、まずは婦人服店に来た。
可愛いパステルカラーの服が好きなので、お店は決まっており、新作が出ていたのでどれにするか悩む。

「うーん。これも可愛いし、こっちも良いんだよな~。」

蓮は、辺りを警戒するように見回した後、私のところに戻ってきて
「麗奈には、これが似合うよ。」
と白生地にピンクの花柄の服を選んだ。

ちょうど悩んでいた物の1つだったので、これに決めて、あとはこれに合うスカートを選ぶだけだ。

スカートを探しに行こうとしたら、蓮が渋い顔で耳元で言う。

「麗奈、買い物中悪い。一式持ってきてるよな?」

この顔は仕事中の私にだけ見せる顔だ。
きっと、何かあったんだろう。
ここで、短く一式とだけ言うのは警察道具一式、つまりは警察手帳や手錠と言った仕事で使う必須アイテムのことを言ってるんだろう。

「持ってきてるよ。何かあったの?買い物はいつでも良いしね。」

「いや、気になることがあって。何も起きなければ良いんだが。。」

私は、蓮が決めてくれた服だけ購入し婦人服店を後にした。
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