瞳の奥
|蓮side

俺は麗奈を家まで送り、きちんとソファーまで座らしてあげた。

すると麗奈は、俺にキスをしてきた。
俺も答えるかとのように深いキスをしかえす。

「本当はね、私も蓮と一緒に過ごせたらなって思うんだよ。だから、頑張ろう、蓮。

昔、二人で約束したことを今果たそう。」

「そうだな。じゃあ、俺戻るから何かあったら連絡してね。たぶん2時間後ぐらいには来れると思うけど。」

俺は、麗奈の家を後に警視庁に向かうべく車を走らせた。

警視庁に着くと、俺がまず向かったのは警視総監の部屋だ。

「入るぞ。」

ノックもせず、そのまま部屋に入ると写真を見ていた親父がいた。

「ようやく、孫が出来るのか。」

「気が早いぞ、安定期入るまでは流産しやすいって言ってたからな。」

「お前の遺伝あるから大丈夫だろ。」

既に麗奈が妊娠したと言うことは両親には伝えて置いたからか、目の前にいる麗奈にラブラブな馬鹿親父は産まれてくる子供のことにしか頭にない。

「俺は、麗奈の体が心配だからしんどい時は休んだらと言ったんだけどさ、」

「仕事したいって言ったんだろ。」

「流石、親父だな。」

「家でも出来るようにして欲しいんだってさ。」

「良いぞ。」

「良いのかよ。」

「現に、俺もお前もそうしてるだろうが。

言っておくが、お前無理矢理、麗奈ちゃんを警視庁に入れたけど、麗奈ちゃんの両親と約束してるんだからな。

どんなことになっても麗奈ちゃんを死なせない、苦しませない、悲しませない。

結婚もお前が一方的に好きだからしたいって思ってるだろうけど、麗奈ちゃんを不自由させたりしたら、結婚破棄だからな。」

「解ってるさ、麗奈が思うことは全てやらしてあげたいけど、ただ、機密情報を持って帰ることになるけど良いのか?って思っただけだから。」

「警察として疑うのは正解だが、夫として疑うのは、俺も離婚を勧めるぞ。」

「親父の言いたいことは解った。」

「式のことは任せなさい。ちゃんと準備は進めているから。

新居はお前の希望通り、ほぼ準備も終わってるし、お前達が入る日に使用人も入れる段取りはしている。

だから、ちゃんと終わらせなさい。」

「あぁ、解ってる。そろそろ行くよ。麗奈を不自由なく家で仕事出来る環境整えないと麗奈が悲しむからな。そしたら親父にまた怒られるからな。」

部屋を後にした俺は、サイ犯へ向かった。

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