瞳の奥
その後は、最上階レストラン街にて晩御飯を食べるため、これもまた私達の行きつけのお店に入る。

ここは、蓮と二人で良く来るので顔パスで個室に入れるのだ。

「蓮に麗奈ちゃん。久しぶりだね。仕事忙しかったの?最近なかなか来てくれなくて…」

話しかけてきたのは、この店の店長で蓮の同級生の晃輝くん。

学生の頃から蓮と一緒に遊ぶ友人だったので私も知っているのだ。

「まぁな、今日は殺人事件の犯人を逮捕して一段落着いて、麗奈が買い物したいって言うから来たんだが、、」

そこで蓮は区切った。
不思議に思った私は晃輝くんと見合わせる。

「晃輝悪い、麗奈と話したいから少し外してくれないか。」

「解った。警察には守秘義務もあるしな。
メニュー決まったら、いつも通りボタン押して呼んでくれ。」

「あぁ。すまない。」

晃輝くんは、蓮が仕事で話せない何かがあると悟り退出した。
蓮は、婦人服店にいた時と同じ苦い顔しながら、ゆっくり話始めた。

「一式あるかと聞いたよな?俺の勘違いなら良いんだけど、あの時、俺達を見ている気配を感じたんだ。」

時刻は19時過ぎた頃だから、私達と同じように買い物しに来ている人は多かったので、私達を見ていることには不思議では無いのだが、蓮の言いたいことがなんとなく解ってしが、そのまま話を聞くことにした。
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