瞳の奥
|蓮 side

「寝たか。」

「麗奈ちゃん、ぐっすりだね。そして寝顔が可愛い。母親譲りだな。」

「親父の初恋の人だからな。」

俺は麗奈のスマホを取り出して電源をきった。

「麗奈ちゃんのスマホの使い方詳しいやん。」

「麗奈には怒られるだろうけど、電源切った理由はちゃんとあるぞ。」

俺は、麗奈のもとに届いたUSBのことや、麗奈の携帯に盗聴アプリがしかけられてること、警察関係者には秘密にしとけと言うことに律儀に守ってることを説明した。

「それで、当たりはついているのか。」

「なんとなくは。確証はないけど、麗奈に執着している警察内部の人間を洗っていたら怪しい人物は出てきたが決定的な根拠は無いと言ったところだな。」

親父は警視総監の顔で悩む、そして口を開く。

「そこまでの情報は麗奈ちゃんに渡しても良いんじゃないのか。麗奈ちゃんのことを信じてあげてるなら自分の思いを伝えた方が良いと思うぞ。」

俺は麗奈のことを好きだし護りたい気持ちが強いが、麗奈のことを信じれていないのか?
麗奈を信じたい気持ちと同時に隠されてると言う不安があったことに驚いた。

「これからは、交換殺人の線で捜査進めながら、麗奈と一緒に首謀者も突き止めるよ。」

親父は渋い顔した。

「麗奈ちゃんの交遊関係を一度洗い直すところから始めた方が良さそうだな。」

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