瞳の奥
次の日の朝、高等部のメインホールに全生徒を集められて行くと初等部、中等部、高等部の生徒全て集められており、
舞台には蓮達が座っていた。

蓮は使用人からマイクを受けとると、ゆっくり立ち上がり話始める。

『この俺が誰か解らないやつはいるか?』

辺りはざわつく。五十嵐蓮と言う存在は翔、中等部の中でも話題にあがるから知らない人を探す方が大変。そのぐらい認知度は凄いはずだから。

『知ってるようだな。じゃあ、俺の婚約者は誰か解らないやつはいるか?』

その言葉で、私の方へ向いた学生がいたり、顔を興ざめる学生がいたり、当たり前じゃないですかと自信満々に答える学生がいたり様々だった。

そこで、お兄ちゃんが立ち上がり蓮からマイクを受けとると静に話始めた。

『知ってるはずだよね。だって蓮の婚約者は俺の可愛い妹なんだから。
なんで、この場を設けているかと言うと、妹が何者かに虐めを受けているから、今一度注意をしておこうかと思ってね。』

続いて、翔お兄ちゃんも立ち上がった。
『虐めは深刻な問題で、最初は教科書や口をボロボロにされる程度だったのが、今や暴力まで発展している、極めて卑劣な状態までエスカレートしている。』

蓮はマイクを奪って話始めた。
『俺の愛しい婚約者は優しい子だから、俺にも、隼人にも何も言わないが、婚約者に起きてることは俺達は全て把握しており、警視総監の親にもこのことを話した。
そしたら、犯罪レベルの極悪な所業と言ってた。
お前ら伝えておく。今後、また同じことが起きたら警察の権力を使い婚約者を苦しめている奴を逮捕する。言っておくが、親からの許可も出てるから嘘だと思うならやれば良いさ。刑務所暮らししたければな。』

晃輝くんも立ち上がり蓮からマイクを取る。
『言っておくけど、僕達は誰が犯人なのか解ってるしその証拠も全て揃ってるからね。

今はここで止めてあげるのも優しい彼女を悲しませないため。それでもまだ続けるなら、蓮が言ってたように国家権力を使うだけから覚悟しておいてね。』

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