瞳の奥
その集まりが終わってからは、皆のもとに行って謝った。虐めを隠していたことを。

『全く、俺のお姫様は//』

『蓮も隼人も、もちろん俺達も皆、麗奈ちゃんのことが大好きなんだよ。だから、どんなことでも話して欲しいよ。』

それから暫くは虐めはなくなったものの陰口を言われることが多くなった。

ある日、蓮の家主催のパーティーが開かれることになり私は婚約者としてパーティーに出席することになっていた。
もちろん、お兄ちゃん達や私の友人も来るのだが、学校の人達も多いので気乗りはしなかった。

私は、パーティー会場の端にいた時、蓮のファンクラブの会長に声をかけられた。

『麗奈さん、お話がありますの。一緒に外に来て頂けますでしょうか?』

私は、彼女とパーティー会場を抜け、小さな小屋に来た。

『私は、ずっと前から蓮くんのことが好きなの。だからパーティー終わるまでここで大人しくしていてくれるかしら。』

そう言い残し、鍵をかけて出ていた。

『待って、開けて!!』

叫ぶものの、返事はない。
どこか出れる場所無いか探すものの窓があったであろう場所は全て外から木材で打ち付けられており出ることが難しい状態だ。
体当たりしても、動かない。

誰かが開けてくれない限り出られない。
私は、そこまで嫌われていたんだと思うと涙が止まらずにはいられなかった。
泣きつかれて疲れはてて、私は意識を無くしたんだ。
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