瞳の奥
「…と言う訳だ。」

蓮は社長椅子に座ってる父親に私のこと、ユグドラシルが政治家に関与していることを全て話していた。

「三島くん、ユグドラシルが関与しているなら一刻も早く動かなければならない。ここは一課、二課合同捜査で蓮の言う通りガサ入れをすべきだろう。
そこまで解っているなら家宅捜査令状は簡単に取れるだろう。」

「すぐ準備します。」

こうして、一課・二課の合同捜査が行われることになった。二課の人達は嫌がるかなと思ったら、思った以上に嬉しそうにしてる人が多いようだ。
と言っても、私と一緒に仕事出来る喜びみたいだけどね。

ガサ入れは、自宅と職場の事務所2ヶ所。
行うのは2日後。令状はすぐ取れた。
裏口等、逃走ルートも固めておく必要があるため、機動隊に全ての出入口を張ってもらう段取りを立て、同時間同時にガサ入れを行う。
蓮と三島さんは、大臣が自宅から出るタイミングでガサ入れ中に事情聴取を行い、最悪の場合が起きた場合は警視庁までの連行をすると言う流れだ。

全体への捜査会議での説明が終わった後は、
当日の細かい詳細を詰めて各自準備をして、当日朝五時には出発することになった。

「三島、当日はお前主導で動け。」

三島さんは難しい顔をしていた。

「解りました。」

「麗奈は、俺から離れないでね。」
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