え?強盗団が学校に!?
「……安心してください。王子……必ずや、この私が王子を助けます」

そう言って、演劇部の生徒は優しく微笑むと俺を見つめる。

え……かっこいい……。

「……その言葉、信じてもいい?勇者よ」

俺がそう言うと、演劇部の生徒は少し驚いた顔をした後、「はい」と優しく微笑んだ。

「……王子。今から魔法で爆発を起こします。その隙に、逃げて……それ!」

突然、後ろからドンッ!!と何かが弾ける音がする。

「……よし」

その音でビックリした強盗団の力が緩んで、俺はその隙に、強盗団から離れた。

「王子、無事に逃げ切れたのですね。良かった……それにしても、良くあの短時間で大きな音の鳴る装置を作ったよね……」

「……あの装置を作ったのって……まさか」

俺は強盗団の後ろに置かれた装置を見つめて、呟く。

「……あの発明家に作ってもらったんだ」

演劇部の生徒の言葉に、俺は「やっぱり……」と苦笑した。

「お……近くからサイレンが鳴ってるね?近くにいるんじゃない?警察」

「……やばい!逃げるぞ!!」

サイレンの音を聞いた強盗団たちは、走り出す。

「さて……俺らの出番だな」

俺は、口角を上げた。そして、息を吸う。

「ねぇねぇ!ちょっと取材させて欲しいんだけど!!」

俺の言葉に、新聞部の部員が強盗団に近づいた。
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