桜が舞い、君に出逢う。
「特に、後継ぎに厳しかったんだよね。うちの親は。中学生の時、俺めっちゃダサくてさ、ボサボサの黒髪に、黒縁メガネ。性格も明るくなかったから、モテる事なんてなかった。」

「えっ」

中学生時代の久遠はダサい?

今の久遠を見ていたら、

そんなの信じられない。

「色んな人の力借りて、自分でもカッコイイって思えたから、調子乗って声掛けちゃったんだよ。今思うとくそ恥ずー」

と久遠は顔を赤くして照れる。

「な、何で私なの?」

ずっと、思っていた。私なんかより、

可愛い子も美人な子もたくさんいるのにって

「え、それ本気で言ってる?」

「本気以外のなにものでもないけど」

「うわー、無自覚かよ。」

久遠はやれやれと手で顔を覆う。
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