桜が舞い、君に出逢う。
「俺、美緒に一目惚れしたの。廊下で出会った時から。」

驚いて、目が見開いていくのがわかる。

「美緒は、俺がチャラいから声掛けたって思ってたけど、俺美緒以外で女子に声掛けたことないからね。」

以外、だった。

本当はチャラくない遊馬久遠。

なら私に声をかけたのも、

今まで可愛いって言われてたのも、

全部…。

「ねぇ美緒。」

「な、に?」

何故だか、声が震える。

「美緒は、俺のこと嫌い?」

前にも、そんな事を聞かれた気がする。

前までは、嫌いだった。でも今は…

「…最初はサイテーなクズ野郎だと思ってた。でも今は…ふふっ、人間って、こんなにも早く心変わりするものなんだね。」

好きか嫌いかもわからない、曖昧な言葉。
< 125 / 300 >

この作品をシェア

pagetop