桜が舞い、君に出逢う。
誰と隣になろうが心底どうでもいいけど、

皆楽しそうに騒いでいるから、

その感情に驚いてしまう。

「席は先生が決めておいたからなー」

適当なおじさん担任は

適当に席の紙を配って、

足りなかったり余ったり。

…私の席は廊下側の一番後ろ。

眼鏡を付けなきゃ見えないかも。

めいはどこだろう。…真ん中列の真ん中。

少し席が近くて嬉しくなる。

荷物をまとめて席を移動すると、

私の隣の席の人はもう既に座っていて、

確認し忘れていたことに気がついた。

誰だろうと横目で見ると、

音瀬 彼方くんが座っていた。

荷物を新しい席にまとめると、

話しかけようと息を吸い込む。

「音瀬くん、隣の席これからよろしくね。」

「うん!こちらこそ!」

彼は満面の笑みを浮かべ握手を求める。

こう言った笑みは少し苦手で、

少し引きつった笑顔で握手を返す。
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