桜が舞い、君に出逢う。
そう思って踵を返すけれど。

「花恋、もう席に戻るの?」

めいに呼び止められる。

「えぇ。」

にっこりと頷いて、

めいの耳に口元を近づける。

「桜太くんと2人きりで話したいでしょう?」

そう囁くと、めいは「あ、」とか「う、」

など言葉にならないものを放っている。

顔を真っ赤にしながら。
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