桜が舞い、君に出逢う。
東京都駒場清海高等学校は7団体中5団体目。

ようやく、その出番が来た。

音瀬那由多の担当はヴァイオリン。

その隣にいる顔の似た人が双子の人かな。

曲も中盤に入って、音瀬彼方と那由多が

立ち上がった。

音色や響きは、音瀬彼方の方が明るい。

音程はピッタリ。それでいて音も真っ直ぐ。

感情も籠っていて表情も豊か。

色で例えるなら黄色。

元気で明るくて前向きな音。

対して音瀬那由多は正反対。

軽めな音瀬彼方とは違い、

重くて重厚感のある音。

ずっしりと下から遠くに響くような音色。

音程も合っているし、音も飛んでいるけど、

どこか悲しい思い出を連想させるような、

そんな音。色で例えるのなら、藍色。

音はその人の性格を表す。

きっと、明るい兄と、暗い弟。

ううん、出来る兄と比べられて、

嫌気がさしている弟。かな
< 219 / 300 >

この作品をシェア

pagetop