桜が舞い、君に出逢う。
その話を終えた時、那由多は私の手を握った

「話してくれて、ありがとう。お前の幼少期、辛かったな。俺と比べ物にならないくらい...」

そこまで言ったところで、

私は那由多のおでこをデコピンした。

「いたっ!...え、え?なんで?」

「また、比べてる。那由多は、比べたら下がるから、他人と比較してちゃダメ。」

「わ、わかった...まぁ、話は逸れたけど、俺はお前の味方だから。希空が助けて欲しいって思ったら俺はすぐに飛んでいくよ。だから希空も、俺が困ってたら助けてね。俺はお前の理解者になりたいから...約束。」

那由多は自分の小指を差し出し、

私の小指と絡める。

「わかった。」

「家族が危ない目にあっても、やりすぎたらダメだからな。」

「...わかった。やりすぎない程度にやる。」

「お前な...」

その言葉に、このやり取りがおかしくて、

不器用な笑顔で笑う。

「ふ、ふはっ。那由多、面白いね。」

「んなっ!?俺は面白くねぇし!」

そう抗議する那由多がもっと面白くて、

初めて大笑いをした。

こんなに笑ったのも初めてだし、

まず笑うのも久しぶり。

こんなに笑顔になれたのは、那由多のおかげ
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