桜が舞い、君に出逢う。
「何」

と言うと扉が開かれて、花恋が入ってくる。

「最近、音瀬那由多くんと仲がいいの?」

唐突に質問をされて、少し戸惑う。

「そう、だけど。」

「そう...。」

花恋は静かに、嬉しそうに微笑んだ。

それは前までの変な笑顔じゃなくて。

(花恋、変わった?)

「実は私ね、音瀬那由多くんの双子のお兄さんの音瀬彼方と...付き合っているの。」

「へぇ」

よく花恋のお父さん許したな。

「それで、彼方がよく言うの。那由多が変わったって。前までは家族と関わらなかったのに、今じゃたくさん話すようになったって。それで那由多くんに彼方が聞いたら希空のおかげって言うのよ!...ありがとね。」

「...別に。」

花恋はやや頬を紅潮させている。

あぁ、恋ってこういうものなんだ。

ストンっと納得できた。

それならこの疑問は、

花恋に聞いてもいいのかもしれない。

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