桜が舞い、君に出逢う。
「じゃあ話はこれだけだから。」

「待って」

部屋を去ろうとした花恋に、

ベッドから体を上げて質問を投げかける。

「聞きたい。花恋は...どうして音瀬彼方と付き合おうと思った?」

「それは、好きだから...」

花恋は先程より頬を紅潮させている。

「どうして、好きだって思ったの?人間がどうして他人を好きになるのか、その思考回路が私には分からない。」

そう花恋に聞くと、花恋は質問に答える前に

にやぁっと笑った。

「さては希空、好きな人でもできた?」

「...よくわからない。ただ、この感情は恋だと教えられて。でも、どうして好きなのか、理由が全く分からない。」
< 249 / 300 >

この作品をシェア

pagetop