桜が舞い、君に出逢う。
「ねぇ希空、その理由って本当に必要?」

「...え?」

「好きに理由は必要かって聞いたの。...私は、いらないと思うわ。確かに私は彼方の好きなところを聞かれたら沢山出てくる。でもね、希空。まず覚えて欲しいのは、その気持ちに理由も根拠も、何もいらないのよ。」

「何も、いらない...」

衝撃だった。理由が要らない事実なんて。

「好きだと思うのならその感情にたくさん振り回されればいい。好きだという理由がどうしても欲しいのなら、これから考えればいい。本当に好きなのなら、まずは行動に移すことよ。」

「行動...」

行動に移すことが、いかに大事か。

そして、とても勇気のあることか。

「...ありがとう、花恋。」

「そう?ふふ、役に立ててよかったわ。それにしても、希空からこんな相談をされるなんてね。長女として嬉しいわ。」

と花恋が泣き真似をする。

花恋も前より感情表現が豊かになった。

「うるさい」

そんなことは、言わないけど。
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