桜が舞い、君に出逢う。
「希空、人気者だね。」

「ふふっ、そうだね。特になにかしたわけじゃないけど。」

「っ!?」

「...どうかした?」

「いや、希空が笑うとこ久しぶりに見たかも」

「そう、笑えるようになったんだ。」

「それは...同業者のおかげ?」

おそるおそる聞いてくる美緒に微笑む。

「もちろん」

「そう。じゃあその人にお礼を言わなきゃ。音瀬那由多さんだっけ?ありがとうって言っておいてね。」

いい逃げをするように希空は席へと戻った。

(知ってたんだ。)

まぁ確かに私が関わる男子は那由多くらい

だから当たり前かもしれない。
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