桜が舞い、君に出逢う。
那由多...那由多は好きな人いるのかな。

もしいないのなら私を好きになって欲しい。

もしいるのなら...どうしよう。

その好きな女に一言言うか、

那由多を閉じ込めるか...

那由多を閉じ込めた方が楽しいだろうなぁ。

ベッドに縛り付けて、泣いちゃうのかな。

それとも絶望しちゃうのかな。

あぁ、考えたらやりたくなってきちゃった。

「のーあーちゃーんっ!!!」

ドーンッと効果音が付きそうなほどの勢いで

E組の扉を開け、私に近づいてくる花陽。

「どうしたの?花陽。」

「あのねあのねっ!今の希空ちゃんなら、
ずっと行きたかったこれ、行ってくれるかなって!」

花陽がスマホで見せてくれたのは

室内洋楽花芸というアトラクション。

「今日の放課後っ!一緒に行かない!?」

キラキラとした瞳で見てくる花陽を断るのは

すごく申し訳なく感じる。

「ごめん、花陽。今日は用事があって...」

「あー、そっかぁ。ざんねーん」

シュンっと項垂れていた花陽が、

突然顔を輝かせて私の耳に顔を近付ける。

「もしかしてもしかして、今日の用事ってあの那由多くんと!?」

「何でそれ...」

驚いて目を見開く。

そんなに目立ってたかな?
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