桜が舞い、君に出逢う。
楽しく談笑していると、ふと蓮くんが私の顔に手を伸ばした。

なんだろうと身構えると、私の口の端に着いていたご飯粒を取ってパクリと食べた。

(っ!?れれれ蓮くん!?)

ものすごく恥ずかしい、ご飯粒が着いていたことなのか、蓮くんがそれを食べたことなのか。

「何?あ、ご飯粒着いてたよ。もう食べたけど。」

(食べちゃダメだよ!?汚いから!)

「えー、いいじゃん。それに俺、つむのこと汚いなんて思ったことないし。」

そう微笑む蓮くんを見て、ボッと火がつく勢いで私の顔が赤くなる。

この天然タラシ!

絶対に顔を見せまいと俯いていたら丁度運良くチャイムが鳴って、私は勢いよく立ち上がった。

(蓮くん、戻ろっか。)

そう言うと、蓮くんは名残惜しそうな顔をして私の隣を歩いた。
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