桜が舞い、君に出逢う。
教室に戻って席に座ると、高本さんと五十嵐さんがこっちに向かってきた。

(また、何か言われる。)

「ねぇアンタさ、毎日毎日蓮くんとお昼ご飯食べれていいご身分よねー!」

「それにアンタ喋れないんだから会話なんてないでしょ?だからさ、私達も蓮くんと一緒にご飯食べてもいいよね?」

(っ!)

最悪、最悪だ。

私と蓮くんの2人きりの時間を、この2人に奪われる?

そんなの、絶対に嫌!

鋭い眼光で、私は2人を睨みつけた。

「は?何その顔。うちらに歯向かうつもり?」

そうだよ。私、それだけは許せないから。

「っ!調子乗ってんじゃねぇよ!」

五十嵐さんが私の体を押し倒して、私は椅子から転げ落ちた。

その衝撃で、強く頭をぶつける。

(うぐっ、)

思ったより強くぶつけたらしい。

痛みで体に力が入らない。

視界にモヤがかかる。

「ーっ!ーーー!」

誰かが、叫んでいる気がする。

蓮くん?だったら、いいのにな。
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