桜が舞い、君に出逢う。
目が覚めるとそこはいつもお世話になっている保健室のベッドだった。

あれ、なんで私...

「っ!つむ!起きたの!?」

(え、蓮くん?何で...)

「つむのクラスメイトがうちのクラスに来て、教えてくれた。名前は確か...鏑木くん、だったかな。」

かぶらきくん...確かに、私のクラスメイトだ。

少しだけ、話したことがある。

「それよりつむ、ぶつけたところ、もう痛くないの?大丈夫?」

蓮くんは私の頭を優しく撫でる。

でも頭がズキっと傷んで、顔をしかめた。

「あ、ごめん。まだ痛いか」

(今、なんの時間?)

「えっと、5時限目の最中かな。」

じゃあそこまで気絶してたわけじゃないんだ

でも待って、頭ぶつけて気絶って、恥ずかしくない?

そう思うととたんに恥ずかしくなって、顔を俯かせる。

「つ、つむ!?どうかした?もっと頭痛くなった?」

(ち、違うの!頭打って気絶って、なんか恥ずかしくなっちゃって...)

「ははっ、何だ、そんなこと?...でもね、つむ。もし頭の打ちどころがもっと悪かったら、死んでいたかもしれない。」

(っ!)

「それにつむは少しだけ体が弱いから、今回みたいになるのは当たり前なんだよ。」

蓮くんはさっきよりも優しく、私の頭を撫でた。

蓮くんの大きな手で撫でられると、安心する

ずっとこのまま、この時間が続けばいいのに
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