桜が舞い、君に出逢う。
荷物を全部置いて部屋着に着替えて、花恋ちゃんの部屋に入る。

「早速だけど…紬、あのね、蓮くんの事なんだけど…」

(?)

蓮くんが、どうしたのだろうか。

「紬が声を出せなくなった原因、蓮くんにだけ紬の心の声が聞こえる理由…知りたいと思ったことは無い?」

それは、あるに決まってる!

けど、私が声を出せなくなった理由は小鳥ちゃんじゃないの?

「あの、あのね、あなたが声を出せなくなったのは―」

その時、花恋ちゃんの部屋の扉がノックされた。

部屋に入ってきたのは希空ちゃんだった。

希空ちゃんは私を見て少し驚くと、

花恋ちゃんに口元を寄せた。

2人で何か話しているようだけど、何を話しているのかまでは聞こえない。

希空ちゃんは怒ったような顔をしてるし、
花恋ちゃんは困ったような顔をしている。

ようやく希空ちゃんが部屋に帰ると、申し訳なさそうな顔をして私の方を振り向いた。

ようやく話してもらえる!と思ったのに、予想とは会い逸れた言葉が聞こえた。

「ごめんなさい紬。少し急用ができたからまた後で話すわね。」

そう言って花恋ちゃんは部屋を出ていった。

残念な気持ちになりながら、私も部屋に帰る。

(どんな話だったのか、気になるなぁ。)
< 281 / 300 >

この作品をシェア

pagetop