桜が舞い、君に出逢う。

「朝ごはん、お母さんと作ったからみんなで食べようね。それと、花陽。入学式の準備は終わったの?」

ふわりと微笑んだ笑顔と、長い黒髪が揺れ

なんとも言えない魅力を持つ。

だが、すぐさまいつもの「お母さん」に戻り

花恋ちゃんの顔には厳しさが浮かんでいる。

「もっちろん!だって今日は新入生の入学式だけでしょ?準備なんて何も無いでしょ!」

「新入生に花を作って送るらしいけど、花陽出来てるの?」

私たちの会話を聞いていたらしい

美緒ちゃんが、ひょこっと顔を覗かせる。
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