御曹司の極上愛〜偶然と必然の出逢い〜
 車が別荘の前に止まる音がした。

「真琴、迎えに出てくるから待ってて」

 仁が玄関を出ていく。すると、すぐに賑やかな声が聞こえてきた。

「お兄ちゃん久しぶりだね」

「ああ。元気だったか?」

「うん」

「花田さんも、お待ちしてました」

「私まで、城之内の飛行機に乗せてもらって……」

「何言ってるんですか。真琴の父親代わりなんですから、当たり前です」

 みんながリビングに入ってきた。

「いらっしゃいませ」

「やあ、月野さん久しぶりだね。元気にしてたか?」

「はい。花田社長ご無沙汰してます」

「まあまあ、貴方が真琴さん?夫の友人を助けていただいたと聞いてるわ。ありがとう」

「そんな。当たり前の事をしただけです。その後、お元気にされてるのでしょうか?」

「ええ。先日もお会いしたけどお元気だったわ。ご夫婦で真琴さんには感謝されてるのよ」

「お元気とお聞きして私も嬉しいです」

 会話が弾むが、なぜか仁の妹の杏だけが、目を見開き固まっている。

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