御曹司の極上愛〜偶然と必然の出逢い〜
偶然の出逢い SIDE 仁
 今から数年前、俺はある出会いをする。



 俺の父は、『世界の城之内』と言われているグルーブの社長だ。俺自身、小さい頃から英才教育を受け将来は城之内グルーブを継ぐ事が決まっている人生を歩んできた。

 俺には、歳の離れた妹がいるが男兄弟はいないので、必然的に跡継ぎとして育てられた。

 教育には厳しい両親だったが、私生活では俺を信用し、ある程度自由にさせてもらったと思う。やるべき事をして成績を維持していたら、遊んでいる事をとやかく言われる事はなかった。

 ただ、『世界の城之内』のネームバリューに寄ってくる輩には気をつけろ!と幼少期から何度も言われた。

 幼い頃は全く意味がわからなかった。

 が、いつからだろうーー

 名門校に通い、裕福な家庭の子ばかり集まる学校ですら、いつからか派閥というのか上下関係というのか、優劣をつける輩が出て来たのだ。

 その中でも俺の家はトップにあたる訳で、ゴマをすったり、取り入ろうとする奴らを散々見てきた。

 もちろん、俺は群れる事はせず相手にしなかったが……。

 俺には幼馴染みがいたので、そいつひとりで充分だったのだ。





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