御曹司の極上愛〜偶然と必然の出逢い〜
 幼い頃から真琴は控えめな性格だ。人見知りで自分から入っていくことがなく、あまり目立たない存在だった。真琴自身も、それで特に困ることはなかった。

 いつからだろう……。

 真琴の思いと反して、男子達が真琴を放っておいてくれなくなった。仲良くなりたいと真琴に話しかける。それを見た女子が面白くなく真琴に嫌味を言う。嫉妬からの行動は、真琴にはどうしようもなかった。

 言い返すと火に油を注ぐようなもの。出来るだけ相手を刺激せず目立たないようにを心がける。でも、目立ってしまう美しさ。

 その嫉妬が真琴のトラウマになる事件が起こる。それは高校時代、クラスで仲良くしていた友達からいわれた言葉だった。

 電車通学をしていた真琴と友達。いつもは早めの時間に乗るのだが、その日は友達が遅れたので数本遅い満員電車だった。

 乗ってすぐ異変が起こる。真琴のお尻あたりに手が当たる。おかしいなと思いつつも我慢していた。それが、段々エスカレートしていき、完全に痴漢だとわかった。

 真琴は恐怖から言葉も出なかった。下を向き泣くのを我慢していた。たまたま横にいたおば様が気づいてくれたのだ。



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