御曹司の極上愛〜偶然と必然の出逢い〜
　近くにあったバスローブを羽織り、寝室を出て更に驚く。


　間違いなくスイートルームだろう部屋。スイートルームに入る事自体が初めてだが、そんな真琴でもこのホテルは最上級だとわかる豪華さだ。


　今度は、冷や汗が出る。


　自分が支払える額のお部屋なのだろうか……。


　リビングのソファーには、クリーニングから返って来たであろう昨日着ていた真琴の服が置いてある。


　そして、テーブルにはメモが。


『海外出張から戻ったら迎えに行く　　仁』


　連絡先も何もない。


「……。仁って誰？迎えに来るって私の知ってる人！？」


　真琴には、仁と聞いて思い当たる人物はいな　　い……。


　正確にはひとり居るのだが、全く縁がなく向こうが真琴の事を知っているはずがないと思い出しもしなかった。だが真琴が冷静だったなら、豪華なスイートルームとどこかで見たことのある横顔で結びついたかも知れない。が、何せ記憶のない情事に気が焦っている状況だ。


　着替えを済ませ、メモの横に置かれていたカードキーを持ち部屋を出て、ドキドキしながらフロントに返したが支払は済まされていた。


　ホッとしたが、相手がわからない不安が残る……。




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