御曹司の極上愛〜偶然と必然の出逢い〜
 受付に行くと、受付横に置かれている応接セットのソファーに踏ん反り返って座る金髪の女性がいた。個性的な服装に気の強そうな性格だと察する。

「お待たせして申し訳ないね」

 英語だが、のんびりした口調で専務が声を掛ける。

「あなたは?」

「ああ。城之内不動産の木下です」と名刺を渡した。

「そう。あなた、偉い人?」

 目上の人に対する態度からも、全く常識がない。

 若い時に運良く注目され有名になったレイチェルは、常識を知る前にチヤホヤされこの態度になったのだろう。

 年数を重ね、この態度を注意してくれる人もおらず、今になって常識のなさと代わり映えしないデザインに、誰もが見捨てたのだと想像出来る。

「どうでしょう。私ではあなたをどうする事も出来ないのは事実です」

「ふん。なら、JJ様を連れてきてよ」

「JJ様?」

 真琴は思わず聞き慣れない言葉を聞き、口に出してしまう。

「あら?あなたJJ様を知らないの?ん?あなた……」

「えっ?」

「どこかで見たような」

「初めましてですが……」

 微妙な空気が流れる。

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