御曹司の極上愛〜偶然と必然の出逢い〜
 会場のフロアにつくと、ホテルスタッフと城之内本社のパーティー担当者が何やら慌てている。

「どうしたんだ?」

 花田は顔見知りなのか、そのうちのひとりに声を掛けた。

「花田部長!じゃなく社長!大変なんです」

「何があった?」

「会場の入口のフラワーアレンジメントなんですが、一部の花が昨日間に合わなくて、仕上げは今日の朝になったんです。ですが、花は届いたんですが、今度はアレンジメント依頼していた業者が、事故に巻き込まれて到着してないんです」

「ホテルのスタッフも今日は結婚式に追われているらしく……」

 世界が注目する城之内のレセプションパーティーの入口に、不完成なフラワーアレンジメントを飾っておくわけにいかない。かと言って、なにもないと華がない。

「あの〜」

「どうした?」

「あそこまでベースが出来ていたら、後はメインのお花を足していくだけなので、プロの出来にはほど遠いかもしれませんが、私にお手伝いできませんか?」


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