雨の日にしか会えないキミ


でも今は、そこに彼女の姿はないけど。


……やっぱり、来るわけないか。


肩を落としてため息をつくと、
足元あたりに、サッカーボールが
おちているのを見つける。


ふっ、あいつらのだな。


ほほ笑みながら、ドロドロにぬれた
ボールを拾いあげる。


急にふってきたから、
サッカーボールを持ってくのも忘れて、

あわてて家に帰ったのだろう。


放課後は、部活がある日以外、
あいつらと遊ぶ約束をしているし、

明日にでも返しに持ってきてあげよう。



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