雨の日にしか会えないキミ
「晴れている日の公園は、
子どもたちであふれているから。
あなたと2人で話すには、
今日みたいな雨の日しか、
あらわれるタイミングが
見つからなくて」
……そっか、それで。
雨の日しか会えなかったわけだ。
モヤモヤしてた謎が、すっと解けていく。
「傘をきっかけに、
あなたの前にあらわれたけど、
おどろかせてしまってごめんなさい。
……てっきり私、怖がられて
もう会えないと思ってたので。
あなたが来てくれて
ほんとうに嬉しかった……」
そう笑う彼女の目は、
ほんの少しうるんでいるようにも見えた。