俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「待て。待て待て待て。待て待て待て…」
呆然としたのち、ハッと我に返ると呪いのようにブツブツ言い出す。
俺に疑惑の視線を送りながら。
「何を待つの」
「いやいやいや。伶士おまえ、その話なんだよ。急にぶっ込んでくるとは、まさかとは思うがどこから聞いた。むーか?」
「いや違うよ。五島さんだよ。ショーのモデル断られたから、俺からもお願いしてくれって」
「あのデザイアーーっ!!」
デザイアとは何だ?デザイナーではなく?
まさかそれは五島さんの髪型から連想されるなつかしの単語だとは思わず。
怒りは瞬時に頂点に達したのか、まるで般若のように顔が引き攣っている。
こ、怖っ。
「何で断ってんだよ。ショーのモデル、良いじゃねえか。誰もがやれるわけじゃないモノなんだろ」
その理由を問い詰める。だが、ヤツは小刻みに首を振る。
「ないない。だって忙しいし」
「……」
忙しい。こいつの常套文句だよな。
しかし、俺だってあーそうですかで済ます気はないのだ。