俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
何か考え事をするかのように間を置くボスマネを焦ったく思う。
何だ。何だなんだ。
言いたい事があるなら、はっきり言え。
「うーんって何ですか。俺がどれだけ気合いが入ってるかわかりませんか」
「いや、そうじゃなくて……」
「俺の気合いの如何程がわからないなら、喜んでお見せしますけど。まずは、ここにいる伊野さんに腹パン入れてどれだけ吹っ飛ぶかの距離を見てもらえれば」
「……おぉいっ、橘!どうしてそうなるんだよ!」
「おー腹パン入れてもらえ?敦斗?キャプテン、後輩のために一肌脱げ?」
「嫌だよ!…だってこいつ、空手やってんでしょ!あの井上穂高と普通にやり合ってたんでしょ!腹パン、普通に死ぬでしょ!」
俺の悪ノリに完全に乗ってしまった越後谷さんと、伊野さんは戯れ始めた。
そんな二人の光景を見ながら、せづマネは「そうじゃないんだよ…」と、呟く。
「そうじゃないってなんすか」
「このショーに出ちゃいけないって決まりはね……」
せづマネがそう言い掛けた時、「ちゃおー」という声と共に、肩がズシッと重くなった。