俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

他の誰でもないお客ーbacksideー

☆☆☆








ーーーこの世界の空は、果てなく黒い。




どこまでも続く、夜空のような闇の空。

昼も夜もないこの世界には太陽が無く、代わりにそれ同等の大きさである、月のような星が大地を延々と照らす。

青い空の無い世界。

日光が無いこの世界は草木は生えず、岩肌のように硬い、踏み固められた土の大地が空同様果てなく続く。

同じ景色が延々と続く、この世界。



この何の赴きも無い世界の景色を、ただ無心で眺める。



(…でも、嫌いじゃないんだよなぁ)



そんなことを思っていると、足元の術陣に黒い光が灯り始めた。

これは、魔術の転移陣。もう、この世界からのお帰りの時間を告げているようだ。



情緒が少しも溢れない景色を背に、お土産を持って転移陣の中心に乗り込み、目を閉じた。

体は闇のような転移陣の黒い光に包まれる。

まるで、闇へと誘われるように。




しばらく闇に包まれたままでいると、肌に伝わるビリビリとした振動も落ち着いて、閉じた瞳の向こうが明るくなったように思えた。

体を包んでいた闇の光が、自分の体を解放したのだろう。

戻って……きた。



「剣軌くん、おかえりなさい」

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