俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜



「さてさて。今回はどうだった?話聞きたいなぁー」



グラスを軽く合わせて乾杯し、ワインを一口含んだところで早速報告のお時間となった。



「ええ、弓削先生提案の牧草地、見事に育ってましたよ?子羊たちも元気です」

「わぁーお!ホント?ホント?」

「弓削先生のしつこい地質調査のたまものです。彼らも喜んでましたよ?弓削先生の言った通りに、浄水も機械と魔術を組み合わせたもので飲み水に出来たようです」

「きゃー!素晴らしい。素晴らしい!……あぁっ!僕も早く魔界に行きたいよぉー!」



なんてことない報告で、こんなにも歓喜してくれるとはドン引き……いや、こっちも嬉しいことだ。さすが異世界オタク。

取り敢えず笑顔だけは作ってみせる。



「あぁー!しかし、剣軌くん。まさか君が『リグ・ヴェーダを追う』という名目で、二年前に初めて僕の転移陣で魔界に飛び込み、まさかそこで、冥王の妻と側近に拾われ、冥王軍の軍師になってしまうとは、誰が思ったでしょう!そして、魔界のNo.3である水晶鬼を葬り、色鬼らを解体し、魔界を冥王軍の天下にしてしまうとは!そして、その拠点でスローライフを勧めるとは!」
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