俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
だが、魔界に足を踏み入れるのも三度目になった時。
『…おや?この魔界で人間が生き残ってるなんて?……面白いわね』
魔族にとって、人間は捕食対象。
その人間が、魔族を相手にして生き残っている。
そんな噂を面白がって、自分の目の前に現れたのは、格別な魔力を背負った女性。
……の姿の魔族。
どう見ても、高位魔族だ。
これは、詰んだ。
と、思ったが。彼女が持ち掛けたのは、戦いではなく、交渉だった。
『あんた、面白そうね?私達と来ない?……旦那が飽きなさそう』
彼女はなんと、あの冥王の妻。
聖魔と名乗った。
居城に連れて行かれ、引き合わされた冥王・耶雲は想像とは違って、限りなく人間に近い見てくれをしていた。体のサイズは自分の1.5倍はあるが。
冥王・耶雲に『人間がこんなところで何をしている?』と問われたので、ありのままの事実を伝える。
師匠の仇である半人半魔を葬るために、魔界にやってきた。と。
魔族相手に駆け引きは無要だ。
すると、こんな取り引きを持ちかけられる。
『その仇とやらは、こちらで探してやる。その代わりに、我々の仲間になれ』