俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
冥王は魔界制圧……というよりも、とても邪魔くさい目障りな連中を排除したいそうだ。
【色鬼】と呼ばれる大所帯の魔族や、闇黒女神ベリアルなど、有名どころの名を上げる。
色鬼のトップ【水晶鬼】と闇黒女神ベリアルは、魔界屈指の強さを誇る。その上、自分の視界にチョロチョロ入ってきてめんどくさい。
ハエ退治のような感覚だ。
冥王はそのハエ退治を手際良く指揮する頭の良い軍師を求めていたという。
人間とは、長い歴史の中から頭脳戦に長ける者もいるとは聞いていたが…能力差は確実なのに、魔族を相手にして人間が生き残るとは、余程の策士なのでは?と解釈したようだ。
こっちとしても、この上なくお得な話。
この魔界という広大な敷地の中、一人のクソヤローを一人で探すのは大義だ。
自分が魔界に不在の間も、自分らの軍の兵士に捜索に当たらせると約束してくれた。
その取り引きに応じ、二方の掃討作戦に乗り出す。
こっちの時間で一年以上もの時を費やしたが、策を講じて冥王軍の兵士を巧みに操り、そしてとうとう、冥王の手で水晶鬼と闇黒女神ベリアルの首を討ち取らせることに成功した。