俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
だが、鳴海さんはニコッと笑顔を見せる。
「いや、大丈夫じゃないっすか?この黒曜鬼の『核』は完全機能不全となってます。もう魔力が微量のただの石ころなので、契約、復活は無理だと思います。……恐らく、リグ・ヴェーダの持ってる水晶鬼の『核』は、体を失ったのみで動いてるんじゃないかと」
「へぇー。なるほど」
「あ、それ弓削先生がとても見たがってたよ?」
菩提さんが思い出したように口にした一言だったが、それを耳にした鳴海さんの表情はカッと強張る。
「絶っ対、ダメです!もし弓削先生の手に渡ったもんなら、あの人よからぬ実験始めそうなんで。ダメダメ。悪用、絶対にダメ。…まあ、解析済んで、封印術式施して、魔力を完全に抜いたら見せてあげてもいいですが」
「信用ないね…」
度々出て来る、弓削先生。
もはや危険人物としか捉えようがない。
大人達の会話を、少し離れたところで黙って聞いてると、腕の中のぽめが「わん!」と吠える。
っていうか。
あのコアのもちぬしやったの、れいしどのだろ。
……ワンコロにはバレてる!
殺ったとか物騒だな。せめて倒したと置き換えてくれよ。